撫物語”なでこドロー” ネタバレと感想 老倉さん登場で管理人大歓喜
〈物語シリーズ〉のオフシーズン、第3弾。
撫物語(なでものがたり)
本日7月29日に発売されたので早速読んでみました!
正直に言うと、千石撫子はそこまで好きなキャラではなかったので
他のキャラのストーリーに期待している部分も大きかったのです。
オフシーズンはだいたいキャラが交代していたので、撫物語もそうだと思い込んでいました。
ですが、撫子一色でしたね。
千石撫子語り部の「なでこドロー」のみでした。
そして、千石撫子のことを初めて好きになれた物語でした。
すっごく、、、面白かった!
撫子の成長と過去の清算、そして新たな関わりなんかが新鮮でした。
感想は完全にネタバレありで書かせていただきます!
千石撫子と斧乃木余接
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囮物語にて、神様になった彼女。
そして恋物語では貝木に諭され人間に戻った。
その後、入院ののち自宅へ戻り、漫画家になるべく漫画道を突き進んでいる。
本編ではここまででしたね。
オフシーズン第1弾・愚物語【つきひアンドゥ】にて、斧乃木余接と知り合っています。
人形としての任務の最中に、月火に動いているところを見られてしまった。ドジな怪異人形。
”実は魔法少女なんだ”
という嘘を現実にするために、斧乃木ちゃんは撫子に頼むのです。
「お前の中にいる蛞蝓豆腐を利用させてくれ」
失敗に次ぐ失敗に終わりますが、撫子と斧乃木ちゃんは良き友達になった様子。
撫物語もこの二人の会話から始まります。
斧乃木ちゃんとしては、どうしようもなく厄介な存在の阿良々木月火の愚痴を聞いてくれるだけで撫子はありがたいようですw
漫画家になりたいけど、不登校なままでいいのか…?
そんな希望と不安を抱える撫子にとっても相談できる存在はありがたかったみたい。
物語のきっかけ
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撫子は学校も行かず、漫画を描いているだけの日々。
ある日突然の親からの言葉は辛辣なものだった。
「いつまでそんなことをしているの!中学卒業したら働きなさい」
まぁごもっともですけどね。
両親としてはこれまで甘やかし過ぎていた罪悪感もあるのでしょう。
たしかにね、帰ってきた途端変わってしまった娘を見て、自分たちの間違いにようやく気付くものなのかもしれません。
撫子は生活の保障がなければ努力できない、と相談します。
斧乃木ちゃんに。人形くらいしか相談する相手がいないのもなぁw
そして斧乃木ちゃんの答えは、
「努力して中学生のうちに漫画家デビューすればいい。時間がないならお前を増やせばいい」
でした。
愚物語にて(悪い風に)披露された撫子の具現化能力。
自画像を書き、具現化することによって、自分を増やしてしまおう!
という算段です。
100%うまくいかないわw
そして生まれた可愛娘戦隊ナデコーズ
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★一番馴染みの深い恥ずかしがり屋でおとなしい撫子・おと撫子
★大好きだった憧れの人を精一杯の背伸びで誘惑する撫子・媚び撫子
★何もかもを破壊するほどに怒りに満ちている撫子・逆撫子
★神々しさ1000%なメドゥーサ撫子・神撫子
★漫画家になるために努力する熱い撫子・今撫子
ベリーショートの撫子は新鮮で、全然違うキャラみたいですね!大人っぽくていい。
撫子が絵を書き、斧乃木ちゃんが召喚します。すると…??
式神たちは一斉に逃げ出した!!
あーあwww
強制外出して出会う人たち
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ずっと家に引きこもっていた撫子ですが、自分の姿をした式神たちが街を徘徊しているとなれば、外に出ざるを得ません。
気が気じゃないです、自分じゃない自分が悪さするかもしれないのですからw
捜索中にいろんな人との出会いが描かれます。
男子高校生の忍野扇、大学生となりこの街に戻った老倉育、
今でも撫子を気にかける優しい先輩・神原駿河(電話のみ)、かつての恋敵・戦場ヶ原ひたぎ(電話のみ)。
特によかったのが、老倉育との会話でした。
・人間関係が下手で
・学校でやらかしてしまい
・家にひきこもるようになる
二人には共通する過去や現在があります。
8年前に会っただけでろくに会話もしたことのない二人。
それでも、そこには
ちょっとだけ成長し、年下にいいところを見せようとする老倉育の姿と
同じような過去を持つかつての幼馴染に自分を重ねる千石撫子の姿がありました。
「大丈夫よ、撫子ちゃん。学校に行けなくなったくらいでは、人生は終わらない」
「困ったことがあったらいつでも力になるから、撫子ちゃん、本当、泣き寝入りだけはしないでね」
撫子に対して助言やアドバイスする老倉育。
もちろんまだ自己否定感や自己嫌悪な感じはありましたが、以前のような触るものみな傷つける老倉さんではありませんでした。
優しい近所のお姉さん、育お姉ちゃんでした。
泣けましたね。
育推しだからではなくても少しでも前向きになっている彼女の描写を入れてくれただけで救われますよ。
老倉さんのこんな一面みれただけで買ってよかったと思えます!
撫子の本音
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今撫子は媚び撫子、逆撫子をなんとか捕らえます。
その際に彼女らに言われた言葉は、今撫子の心に響くものでした。
「夢を追ってひたむきに努力とか、そんな恥ずかしいことしないでよ、恥ずかしい」(媚び撫子)
「お前だって本当は嫌々努力してんだろ?苦しいならやめりゃいいだろうが、ああん?」(逆撫子)
彼女らの言葉は撫子の本音の代理でもあるのでしょう。
勢いで突っぱねることはできても、本当に努力した末に報われるのだろうか?無駄になったりしないだろうか?そんな不安がないわけもありません。そこはまだ中学生、将来に不安を抱いて当たり前なのです。
残すは神撫子とおと撫子だけ。
黒幕は何撫子?
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おと撫子を囮にし、本屋に立てこもる神撫子。
ブルマ姿のおと撫子(通称ルマ撫子)を大量にコピーし、召喚することもできるまさに神様です。
斧乃木ちゃんは神撫子に一度やられており、撫子に作戦立案を託します。
ない頭を使い必死に考える撫子。
その甲斐あってかなんとか神撫子を封じることに成功。一件落着…と思いきや、
本当の黒幕は【おと撫子】だったのです。
媚び撫子に制服の交換させるアイディア、
逆撫子に彫刻刀を渡し阿良々木家での待ち伏せ作戦、
神撫子にルマ撫子をコピーさせ本屋での籠城作戦
その全てをおと撫子はいつまでも被害者でいることで、下手に出ることでそうさせていた。魔性です。
時間を稼がせ、彼女が向かった場所、行きたかった場所、待ちたかった場所。
直江津高校の正門前でした。
まだかなぁ、暦お兄ちゃん♫
少女は失恋して大人になっていく
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「無駄だよ、おと撫子」
「あの人はもうここにはいないんだよ」
「誰も、いつまでも中学二年生じゃいられないし、十四歳じゃいられないんだよーーここで待ってても、無駄なの。ここで待ってても駄目なの」
そう言い聞かせる撫子。
するとおと撫子は泣きながらこう言うのでした。
「……じゃあ、じゃあ、もう、好きじゃないの?」
「もう思い出せないの?飽きたの?忘れちゃったの?どうでもよくなっちゃったの?そんなつまらない未来なの?撫子は、そんな大人になっちゃったの?」
撫子はおと撫子を抱きしめ、涙にまみれながら彼女に約束するのでした。
「また私は誰かのことを好きになるって、約束する。待ってるだけで楽しくて、思うだけで幸せだったことを、私は忘れない。あなたの失恋を、絶対に失敗にはしない。夢も追うけど、懲りもせずに、恋もする。あの人よりも優しくて、あの人よりも格好よくて、あの人よりも素敵で、あの人よりもいい人で、あの人よりも好きにならずにいられない、ロリコンじゃない人に恋をする。きっと、あなたがなりたい私になるから。だからもう待つのはやめてーー行こう、未来へ」
感動ですね。
おと撫子からちゃんと卒業し、ちゃんと失恋し、大人になっていくのでした。
撫物語”なでこドロー” まとめ
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後日談には忍と撫子の絡みもあります。あの有名な言葉
「よかったの、たまたま可愛くて」
この言葉の真意を撫子が勇気を振り絞って聞くのです。しかし、当の本人は覚えていない。
こんなことおそらくたくさんあるのでしょう。
嫌なだけの人間はいない、悪いだけの人間はいない、どの方向から見ても同じ性格の奴はいないし、どの時点でも同じ性格の奴もいない
まさに貝木の言葉通りです。
そしていつか、戦場ヶ原と話すときもくるのでしょう。
最終的には、撫子は今回の働きを認められ、臥煙さんに仕事を回してもらえることになります。
それは物質具現化能力のことではなく、トラブルに対するの判断力や対処を評価されてのことでした。
つまりは生活の保障がなければ努力できないという相談を受けた斧乃木ちゃんの粋な計らいがあったわけですね。
千石撫子は、漫画家たまに専門家として生きて行く。
この物語、蛇足なわけがない。
撫物語 [ 西尾維新 ]
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