【モンスターシーズン】宵物語 あらすじ&感想【ネタバレあり】
これまたお久しぶりの更新になります。
〈物語シリーズ〉の終物語下巻のアニメ化も通り過ぎ、さすがにもうないかなって感じだったんですが、、、なんと!
続・終物語アニメ化!!
まじかよ…(歓喜)って感じでした。
あの老倉育がアニメで観れるの?
井上麻里奈の声で聴けるの?
…最高すぎるわ、シャフト最高!!
語彙がなくなるくらい感激しましたね笑
今年の楽しみとしてゆっくり続報待ってます。
それはそれとして、今回の記事はモンスターシーズン第2弾!
「神はいた」
宵物語のあらすじ・感想になります!
八九寺真宵がメインヒロインに据えられた今作、阿良々木くん高校卒業後のお話。
前作忍物語ではそこまで存在感がなかった八九寺、今作では往年の活躍を見せてくれるでしょうか?
それでは見てみましょう!
※ネタバレ含みます、ご注意ください!
時期は?
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前作、【忍物語】のミイラ事件のすぐあとの時期になります。
阿良々木くんは曲直瀬大学に入ったばかりの大学一年生、前回首を突っこんだ直江津高校女子バスケ部のゴタゴタから始まります。
あらすじ
”まだ探偵ごっこを続ける気かい?”
直江津高校の後輩・日傘星雨がもたらした、小学生女児誘拐事件の「噂」。
大学一年生になった阿良々木暦は、八九寺真宵、忍野忍、斧乃木余接とともに調査をはじめるが…!
最初のは臥煙さんの言葉かな?
臥煙さんは前回のお話の結果により大学の4年間は会わないと約束していますので、阿良々木くんの前には現れません。
それはそれで寂しがってる様子の阿良々木くん、寂しいのかよ…。
なにやら不穏な空気の溢れたあらすじ。
そして八九寺、忍、斧乃木の3人の再集結。子供の姿で会するのは鬼物語以来ですね。
神原の親友、日傘によって持ち込まれた「ここだけの話」。
日傘のチームメイトの先輩の妹(ややこしい)が、誘拐されたのではないか、という噂だった。
紅口孔雀(べにぐちくじゃく)という小学五年生の女児が学校が終わっても家に帰ってこず、今までどこにいるのかもわからない。
そして次の日には郵便受けにはその子のものと思われる前歯が。
事件の可能性があるも、警察に通報していないその家の特殊事情がそこにはあった。
全く関係のない、遠い存在の人間でも阿良々木くんは動くのか?
高校を卒業して大学生になった彼の成長と現状を描いています。
怪異に力を借りて物事を解決してきた過去との折り合いはつくのか?
登場人物
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★阿良々木暦
大学一年生。前作とほぼ同じで実家暮らしで車で大学に通っている。
この段階では警察官になるよりも他に夢がある様子。
★日傘星雨
直江津高校3年生。前作にて阿良々木くんとかなり強引に親しくなっている。
神原に嫉妬されるほど。
神原「私の阿良々木先輩と、あまり仲良くなりすぎるなよ…?」 かわいい
名前の読みが”ほしあめ”になってるんだけど、前作では”せいう”だったよな。ミス?
★樟脳水戸乃(しょうのうみとの)
直江津高校3年生。女子バスケ部。あだ名は”みとのん”。
日傘のチームメイトで被害者児童の姉の後輩。
阿良々木くんに憧れている模様。
★忍野忍
阿良々木くんの影に棲む吸血鬼。今作では毎度肩車されている。
もはや阿良々木くんにデレデレ。だがそれがいい。
★八九寺真宵
北白蛇神社に祀られる神様。そのまえは怪異で幽霊。
張り切って神様をやっており、昼間はなかなか神社にいない様子。
迷子の神様。
★斧乃木余接
死体人形の憑藻神。阿良々木家に居候している。
阿良々木月火の見張り兼阿良々木暦と千石撫子の監視も務める。
★戦場ヶ原ひたぎ
阿良々木くんの彼女。曲直瀬大学一年生。
女子寮に住み、毎日忙しく大学生活を謳歌している。
エピローグのみでなく途中にも登場、二人の仲はまあまあな感じ。
前作登場の食飼命日子や老倉育より優先順位が低いことを多少気にしている。
★紅口孔雀(べにぐちくじゃく)
誘拐事件に巻き込まれたと思わしき小学五年生。
母親の再婚により4人家族。
★紅口雲雀(べにぐちひばり)
紅口孔雀の義理の姉。みとのんの中学時代の先輩。
父親の再婚により4人家族。
★神原駿河
直江津高校3年生。バスケ部の元エース。
今回は出番少なめ。
★千石撫子
まよいスネイクから登場。
暦は卒業した彼女に、神様も卒業するための試練が待っていた。
★影縫余弦
暴力陰陽師。まよいスネイクより登場。
最強感がすごいわ…(笑)
★臥煙伊豆湖
専門家の元締め。まよいスネイクより登場。
なんでも知っているお姉さん。
今作はそこまで登場人物多くなかったですね。
老倉さんの話はあったけど、登場はせず…。これは残念。
事件を聞いた阿良々木くんは
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小学生女児誘拐事件として、阿良々木くんは聞いてしまったことは放っておけないとして動き出します。
まずは本当に誘拐なのか、単なる家出という線はないのかという推理のもと
八九寺真宵、忍野忍、斧乃木余接
3名の協力を得て捜査チームを組みます。
斧乃木ちゃんに紅孔雀ちゃんの家を捜索してもらい、
その間に忍と二人でターゲットの探索をします。
八九寺神は隣町の出来事のため神社でお留守番です。
そして見えてきた紅口家の現実。
家には物が少なく、それでいて散らかっている。
なぜ、娘が行方不明なのに警察に通報しないのか?
それは、放任主義を通り越した放置主義の家庭、いわゆるネグレクトの家庭だったため。
両親は娘がいなくなったことにも気付かず、担任の先生の電話により気づく始末。
紅孔雀ちゃんの唯一の頼りであった姉・雲雀は大学進学に伴って家を出ている。
阿良々木くんと忍の中でよぎる出来事ー
猫物語黒におけるゴールデンウィークの羽川翼の惨状だった。
高校生の阿良々木くんは、勝手に憧れた羽川を救うべく、家に侵入するも、
その家庭の崩壊さに怯え、逃げ帰り、妹に縋り付くというものだった。
「今なら向き合い、逃げ出さずにできるんじゃないか」
そんなことを思いつつ、それでも命を投げ出して、怪異に頼りきりになってまで
人助けをしても良いことはないと感じている様子。
できることをできるところまで、やる。
そんな小さな成長が見られた。
そして車を止めた立体駐車場にて、探しに探したが何もない夜明け前、合流した阿良々木くんと斧乃木ちゃんが発見したもの。
それはー
ボロボロになったランドセル、衣服、下着、そして残りの歯全て、だった。
衝撃の事実に、これはさすがに家出の線はない。
そう判断した阿良々木くんは警察に通報することとなる。
もう自分に負える段階は終わっており、これ以上介入するわけにもいかない。
第一発見者として彼の捜査は終わった。
と思われたが、次の日の大学
紅孔雀ちゃんの姉・紅口雲雀が阿良々木くんに声をかけてきたのだった。
リクルートスーツを身にまとったその姿は、上級生と見間違えるほどだった。
彼女は言う
「助けてくれませんですかますか?わたし、今、妹を誘拐した犯人なんじゃないかって、疑われているんですます」
極端なですます調で話す姉・雲雀の接触に阿良々木くんは動揺するも覚悟してみたものを話します。
そして最後に尋ねられた
「あなたは見ず知らずの女児を探してくれた一方、こんなことがあっても通報しない親がいる。こんな世界をどう思いますか?」
という言葉が引っかかっていた。
なぜ、誘拐犯のことではなく親のことを引き合いに出すのか、もしかしたら本当に姉・雲雀が誘拐した犯人ではないのか。
そんな考えも頭をよぎる。しかし、たとえそうだとしても阿良々木くんは自分が裁く権利などない。
人が人を殺しても世界は終わったりしない、と思うに留まるのだった。
紅口雲雀の正体
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事件との関わりはこれで終了とばかりに
女子バスケ部の現役部員に向けたビデオメッセージを撮影される阿良々木くん。
場所は神原家。撮影者は神原駿河と日傘星雨。
多少後ろ向きなメッセージを撮り終え、日傘に謝ります。
「急に紅口雲雀から連絡があってびっくりしただろ」と。
しかし日傘には何の心当たりもなく、阿良々木くんが第一発見者だという事実も知りません。
それを誤魔化すための話題として、雲雀と大学で遭遇したことを挙げます。
「会えるわけ、ないと思うんですが」
そう言った日傘。紅口雲雀に会えるはずがない。
彼女も彼女なりに調べた結果、紅口雲雀は現在、海外にいるらしいと告げられた阿良々木くん。
ならあの人物は、誰なのか。
日傘に紅口雲雀の写真を入手してもらうよう頼み、確認してみると
そこには別人の姿があった。
ちょうど入学式の写真でスーツを着ている人物である。
「どういうことだ、これ…?」
顔は違うが、スーツは同じ。
そこで阿良々木くんはある考えに至る。それは…?
「小学五年生が内面はそのまま、一夜にして大学生くらいまで成長してしまうような、一秒でも早く大人になって「家を出たい」と願う少女の願いを叶えてくれる、そんな怪異現象ではないのか」
事件の真相
紅口家の歪んだ家庭。
孔雀の母親の教え。「何にも執着しないのが一番」
執着してしまえば、失うことで辛い思いをするんだから。
服や文房具もろくに買ってもらえず、歯磨きもうがいだけ、虫歯ができても放置する親。
そんな親の元で、それが当たり前だと思わされて生きていた少女。
それを当たり前じゃないと教えてくれたのは義理の姉だった。
唯一面倒を見てくれる、可愛がってくれる、優しいお姉ちゃん。
親の前では姉妹仲の悪いふりをしないといけない。
そんな二人の思いはひとつ「早く大人になって 家を出て行く」。
やがて姉は18になり、家を出た。
あれだけ願っていた独立も、妹を残して行くことが辛くてならない。
姉に執着してしまった妹。妹に執着してしまった姉。
「執着しないことが一番」やっぱり母親の教えが正しかったのかと思ってしまう孔雀。
雨の日の帰り道、孔雀は靴を雨に濡らさないためにラップに包んでランドセルにしまい裸足で帰る。
ゆっくりと、時間をかけて。一秒でも家で過ごす時間を短くするために。
水たまりを裸足で歩いていると痛みが走る。カタツムリを踏んでしまったようだ。
びっくりしていると、五年生になるまで一本も抜けなかった前歯が抜け落ちた。
成長の証だと、大人への階段だと喜びが込み上げてくるのもつかの間、他の歯もボロボロと水たまりに落ちて行く。
そして今度は全身が軋むように痛み出す。カタツムリを踏んでしまった天罰かのように。
痛みは激しさを増す。死んでしまいたいと思うくらいに。
死にたくなったら、死んでいいの。高いところから飛び降りたら死ねるのよ。それが母親の教え。
必死に高いところを探す孔雀。そして立体駐車場を見つけ、階段を駆け上がる。エレベーターも待っていられない痛みが走る。
屋上に着く一歩手前、孔雀は力つきる。
そして気づくと、大人になっていた。
歯も生え揃い、髪もかなり伸びている。
「これで家を出られる。お姉ちゃんとまた暮らせる」
その思いでいっぱいになる。
着る服もないまま、夜まで待ち姉の元へ徒歩で向かう孔雀。
その通り道で家の前を通る際、復讐のつもりで前歯を郵便受けに入れた。怖い思いをすればいいと。
そんな復讐心によって事件として噂が流れ、姉のマンションにつくもパソコンのメールで姉と父親のやりとりを見てしまう。
詳細は分からないが、姉・雲雀は疑われているのかもしれない。迷惑をかけているのかもしれない。
阿良々木暦という人物が第一発見者で、姉と同じ曲直瀬大学。この人に話を聞くしかない。
そしてその後はここには戻れない、どこに行けばいいのかもわからない。
完全に迷子である。
「わたしには、もう、行く当ても、帰る家も、ありませんでしたました。大人になってしまったわたしは、もう、なれるものがありませんでしたました。大人になってしまったので。わたしはもう、おしまいですます。」
迷子の神様・八九寺降臨
切なくて悲しい、紅口孔雀の一人語りでした。ほんとつらいわ。小説でよかった。
怪異「うつろいねじり」によって大人になった孔雀ちゃん。
帰る場所、頼る人を失い、迷子になった彼女を呼び寄せたのは迷子の神様でした。
「はい!確かにおしまいです、あなたの人生の、辛い部分はね!」
神となった八九寺真宵は、迷ってボロボロになった孔雀ちゃんを強く強く抱きしめます。
これからなんだってできるんです!あなたは生きているんだから!死ななくて本当によかったです!
そう言い、顔を押し付けぎゅうぎゅうしている神様。
「ひばりお姉ちゃんにー会いたい」「会いましょう」
「あのうちを出たい」「出ましょう。はい、もう出ました。そこはあなたの家ではありません」
「お母さんをー嫌いたい」「嫌ってもいいんですよ」
そして姉にもうこれ以上迷惑をかけまいと服も着ずに逃げてきた孔雀ちゃんの願い。
「服が欲しい…」「すぐに準備しますとも。なんと欲のない。どんな服が着たいですか?」
「可愛いー子供みたいな服」
「わたしは、子供に戻りたいですます」「戻りましょう」
「そしてゆっくりたっぷり、じっくりのんびり、時間をかけて丁寧に、なりたい大人になりましょう。急ぐことなんてないんです。あなたはまだ、生きているんですから」
紅口孔雀ちゃん、生きていてくれて良かった。神様八九寺すばらしいよ。感動したよ。
おわり
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八九寺New神様の全肯定、感動しました。
後日談にて、無事お姉ちゃんと一緒に住むことができるようになったみたいでよかったよかった。
神様に一番むいているのは八九寺真宵なのかもしれないね。気配りのできる前向きな神様、しかも可愛い。
まよいスネイクにて千石撫子と八九寺真宵が初対面してます。
なんだか恋バナしてるところが面白いです。
そして臥煙さんと影縫さんが直接話してるところも初じゃないかな?
色々と謎っぽいところも出してるのでかなり楽しめた。
影縫・手折の二人は斧乃木作成時に下半身を担当し、下半身に呪いを受けた。
忍野・貝木の二人は胴体担当。呪いは明かされてないけど、この二人の共通点ってなんだろう。
そして臥煙伊豆湖は頭部担当により、「なんでも知っている」という呪いを受けた。らしい。
そして次回は余物語!
斧乃木余接の秘密が明かされる!のかな?
続・終物語も余物語も楽しみだな。
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コメント
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忍野と貝木には、1つの場所に留まらず、各地を放浪しているという共通点があります。他にも、何かありそうな気がしますけどね。
コメントありがとうございます!
そうですね、一つの場所に留まることのできないというのはありますね。
それが胴体という箇所にどのように絡んでくるのか、何かの呪いがあるから、放浪しなくてはならないのか。
次回作でその辺りも明かされるんじゃないかと思いますので、楽しみですね!
個人的には「人を助けられない」かなとか思いながら読んでましたー
「まだ探偵ごっこを続ける気かい?」
は斧乃木ちゃんのセリフだと思います
コメントありがとうございます!
先ほどその辺り(129)を読み返してみたんですが、阿良々木くんの回想中に出てくるんですよね。
紅口雲雀に扮した紅口孔雀の言葉のようにも取れますし、阿良々木くんの行動を全て知っている臥煙さんの言葉のようにも取れます。
もしくは阿良々木くん自身が自問しているのかもしれません。T&Pさんが仰るように斧乃木ちゃんの可能性もありますね。
色々考えさせられるセリフなども〈物語シリーズ〉の魅力の一つだと思いますね。
死ななくて本当に良かったって言葉が本当に身にしみた。
物語シリーズ内でこの言葉が言える唯一のキャラクターじゃないかな
映画で明らかになった臥煙遠江の顔が斧乃木余に似ている気がします…頭部を担当したことと関係あるのでしょうか…